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NBI HITを最短で抜ける完全ガイド

はじめに


特定技能や育成就労の手続きで、現場がよくつまずくのが 「NBI HIT」 です。候補者が過去に同姓同名の人物と記録が重複している場合、NBI Clearance の即日発行が止まり、追加の確認作業が必要になります。これが「HIT」です。

このHITを甘く見ると、採用スケジュールが数週間単位でずれ込みます。本記事では、HITが起きた際の流れ、必要書類、最短で抜けるための実務対応を整理します。

HITが起きる仕組み

NBIのデータベースは「氏名・生年月日・出生地」でマッチングを行います。日本のように住基番号やマイナンバーのような一意のID管理がないため、同姓同名が多いフィリピンでは「誤検出」が頻発します。


例えば:

  • Juan Dela Cruz(生年月日が近い)

  • Maria Santos(出生地の登録が曖昧)

こうしたケースでは、実際に犯罪歴がなくても 「要確認(HIT)」 として処理されます。


HITが出た場合の流れ

  1. Notice of HIT を受け取る通常のNBI Clearanceに「HIT」と赤字で表示されます。

  2. Verification(確認作業)へ移行

    • NBI本部(マニラ)に照会

    • 場合によっては候補者本人の面接や追加宣誓が必要

  3. クリアまでの期間

    • 軽微な誤検出 → 5~10営業日

    • 同姓同名が多い → 15~30営業日


現場でのベストプラクティス


1. 候補者への事前確認

  • 過去にNBIを取得したことがあるか

  • HITになった経験があるか

これを面談時に必ず聞き取り、HIT経験者は早めに再取得を指示する。


2. 書類の準備HIT時に必要になる可能性が高いもの:

  • 政府発行ID(パスポート、ドライバーズライセンス等)

  • PSA Birth Certificate

  • 婚姻証明書(既婚者の場合)


3. スケジュール設計採用スケジュールの初期段階で「NBIはまず先に出させる」。特に特定技能・育成就労の案件では、PSAよりも先にNBIを確認する方が安全です。

HITを最短で抜けるための実務対応

  • エージェントを通じたフォロー現地エージェントに「HIT発生時の優先窓口」を持っている場合、通常より5~7日短縮できることがあります。

  • 面接・出頭を早める本人がマニラ本部に直接出向けば、確認が早く進むこともあります。ただし地方在住者はコストが高い。

  • 候補者への説明「犯罪歴ではなく、同姓同名のために確認が必要」と明確に伝える。安心感を与えることで、辞退リスクを防げます。


まとめ

NBI HITは珍しいことではなく、候補者10人に1~2人の頻度で発生します。重要なのは「いかに早く動き、必要書類を揃えるか」です。

  • 事前ヒアリング

  • 書類セットの準備

  • スケジュール前倒し

これらを徹底することで、HITによる数週間の遅延を防ぐことができます。

 
 
 

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